2022.03.31

日本代表にスペインの名指導者から厳しい指摘。「ベトナム戦は試合プランで後手に回っていた」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「日本はオーストラリア戦でワールドカップ出場を決め、ベトナム戦では9人もメンバーを入れ替えて挑んでいる。テストの狙いであるのは分かる。しかし、ごっそりと変えてしまったことでお互いの理解が深まらず、必然的に連係不足に陥っていた」

 スペインの慧眼、ミケル・エチャリはそう言って、日本が本拠地でベトナムに1-1と引き分けた試合について振り返っている。

 エチャリはスペインの名門、レアル・ソシエダで強化部長、育成部長、セカンドチーム監督などを約20年、歴任してきた。エイバルを監督として率いていた時代には、非力な戦力だったチームを際立った守備戦術を用いることで、2シーズン連続で2部に残留させている。最近まで、長く名誉職的にバスク代表監督も務めていた。

 そのエチャリは、格下ベトナムに対しての思わぬ苦戦をどのように見つめたのか?

ベトナムの先制ゴールは日本の致命的なミスから生まれたベトナムの先制ゴールは日本の致命的なミスから生まれた この記事に関連する写真を見る 「ベトナムは5-4-1の守備的布陣だったが、各ラインがバランスを保って、戦術的によく鍛えられていた。たとえば、ウイングバックの攻め上がりのタイミングがよく、しばしば日本を悩ませている。とりわけ前半はすばらしい動きで、サイドで主導権を渡さず、中央を堅く閉じたことによって、日本を容易に奥深くまで侵入させなかった。

 つまり、日本は思うような攻守ができていない。メンバーを総入れ替えしたことによって、各選手が前半はペースを握れず、戸惑いを隠せなかった。戦術ベースがゼロに等しく、自ら戦いを難しくしていた。

 そして21分、右サイドの緩慢な守備で自陣深くまで攻め込まれてCKを与えると、致命的ミスが出た。相手との対格差を考えたら、マンマーキングの守備で何の問題もないはずだったが、不十分なゾーンディフェンスで守り、ファーポストの選手をフリーにし、思い切りヘディングで叩かれてしまった。やらずもがな、の失点だったと言える。

 日本は4-3-3のフォーメーションを組んでいたが、戦術を運用できていない。プレーに『詰まり』が感じられた理由は、それぞれの距離感が悪かったせいだろう。