2022.03.23

大迫勇也、前田大然の離脱で露呈。森保一監督の選手選考が危機をもたらした

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 オーストラリア戦を直前に控え、大迫勇也(ヴィッセル神戸)、酒井宏樹(浦和レッズ)、前田大然(セルティック)の3人がケガ、コンディション不良で代表招集を辞退した。日本は、敗れればその瞬間、オーストラリアと入れ替わり、グループ3位に転落する。大一番を前に好ましくない事態に直面している。オーストラリア代表も主力選手にコロナ陽性者、濃厚接触者が出ていると聞くが、日本のほうが痛手は大きいのではないか。

 この3人のなかで、スタメンが確実視されていたのは大迫と酒井。痛いのは、実力者の山根視来(川崎フロンターレ)が控えている酒井より大迫だ。

オーストラリア戦を前にシドニーで練習する日本代表の選手たちと森保一監督オーストラリア戦を前にシドニーで練習する日本代表の選手たちと森保一監督 この記事に関連する写真を見る  大迫の代役候補は上田綺世(鹿島アントラーズ)と急遽招集された林大地(シント・トロイデン)。上田は2019年末に開催されたE-1選手権以来の選出で、海外組が招集できる状態のもとで代表メンバー入りしたのは今回が初めてになる。林ともども、これまでは五輪チームの選手として扱われていた。大一番を前に初めて昇格を果たしたわけだ。同じ東京五輪に出場したアタッカー陣のなかでは、前田、三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)に半歩遅れる格好になっていた。

 今年1月に行なわれた中国戦、サウジアラビア戦で、前田は後半途中から大迫と交代でそのまま1トップに座った。左右のウイングもこなせる多機能型選手を、森保一監督はあえて真ん中で起用したわけだ。大迫の欠場が伝えられた瞬間、前田は前回からの流れを踏まえれば、その代役候補の筆頭になった。

 ただし、大迫と前田とではタイプが異なる。大迫がポスト系なら前田はスピード系だ。上田はどちらにも似ていない、言ってみれば中間派だ。上田が先発起用される可能性も大いにありと見ていたその矢先に、前田の辞退が報じられた。

 上田の先発がにわかに有力視されることになったわけだが、昨夏の東京五輪では、林が一番手だった。林が先発で上田が後半途中から交代で入るというパターンをくり返している。今回は、追加招集されたのが林であることを踏まえると、上田が若干、有利に見える。