大迫勇也、前田大然の離脱で露呈。森保一監督の選手選考が危機をもたらした
オーストラリア戦を直前に控え、大迫勇也(ヴィッセル神戸)、酒井宏樹(浦和レッズ)、前田大然(セルティック)の3人がケガ、コンディション不良で代表招集を辞退した。日本は、敗れればその瞬間、オーストラリアと入れ替わり、グループ3位に転落する。大一番を前に好ましくない事態に直面している。オーストラリア代表も主力選手にコロナ陽性者、濃厚接触者が出ていると聞くが、日本のほうが痛手は大きいのではないか。
この3人のなかで、スタメンが確実視されていたのは大迫と酒井。痛いのは、実力者の山根視来(川崎フロンターレ)が控えている酒井より大迫だ。
オーストラリア戦を前にシドニーで練習する日本代表の選手たちと森保一監督この記事に関連する写真を見る 大迫の代役候補は上田綺世(鹿島アントラーズ)と急遽招集された林大地(シント・トロイデン)。上田は2019年末に開催されたE-1選手権以来の選出で、海外組が招集できる状態のもとで代表メンバー入りしたのは今回が初めてになる。林ともども、これまでは五輪チームの選手として扱われていた。大一番を前に初めて昇格を果たしたわけだ。同じ東京五輪に出場したアタッカー陣のなかでは、前田、三笘薫(ユニオン・サンジロワーズ)に半歩遅れる格好になっていた。
今年1月に行なわれた中国戦、サウジアラビア戦で、前田は後半途中から大迫と交代でそのまま1トップに座った。左右のウイングもこなせる多機能型選手を、森保一監督はあえて真ん中で起用したわけだ。大迫の欠場が伝えられた瞬間、前田は前回からの流れを踏まえれば、その代役候補の筆頭になった。
ただし、大迫と前田とではタイプが異なる。大迫がポスト系なら前田はスピード系だ。上田はどちらにも似ていない、言ってみれば中間派だ。上田が先発起用される可能性も大いにありと見ていたその矢先に、前田の辞退が報じられた。
上田の先発がにわかに有力視されることになったわけだが、昨夏の東京五輪では、林が一番手だった。林が先発で上田が後半途中から交代で入るというパターンをくり返している。今回は、追加招集されたのが林であることを踏まえると、上田が若干、有利に見える。
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