ザッケローニが森保ジャパンのW杯出場に太鼓判も、「試合をドブに捨てるのはもったいない」と評したプレーとは? (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ふたつ目はこれからのスケジュールだ。1月の終わりの試合では大きな順位の変動はないだろう。トップの3チームはどこも順当に勝つはずだ(サウジアラビア対オマーン、日本対中国、オーストラリア対ベトナム)。重要なのはそのあとの2月1日の試合だ。日本は首位のサウジアラビアと戦う。

 この試合は日本のホームで行なわれる。私は日本のサポーターがどれだけ代表チームを愛しているかを知っている。こうした大事な試合で、スタジアムでのサポーターの応援がどれだけチームに力を与えるのかを肌で知っている。ここでサウジアラビアを叩いておけば、その後の争いに大きなアドバンテージとなるはずだ。もちろん、その後のカードもハードだろう。伝統的にホームで強いオーストラリアと彼らの地で戦わなければいけない。日本のホーム戦はうまくいったが、それは相手がオウンゴールをしてくれたからという面もある。

 最終戦が与しやすいベトナムとホームで戦うのは、日本にとっては非常に有利だ。ベトナムはここまで全敗。一方、ライバルであるオーストラリアとサウジアラビアは直接対決となる。決戦の地はサウジアラビアだが、私はオーストラリアのほうが有利と見ている。いずれにせよどちらかが負けても、引き分けても、いずれか、もしくは両チームが3ポイントを獲得できなくなる。日本が最後にベトナムに負けない限り、W杯出場は堅いだろう。

 日本の選手で誰がキーマンとなるか。

 私が日本にいた頃には代表候補には入っておらず、よく知らなかった選手だが、ここ数試合での伊東純也はよかった。ベトナム戦に続き、オマーン戦でもゴールを決めており、力のある選手だ。ベルギーでプレーしていることは知っているが、そこでのプレーを見たことはない。また、個人的に彼を知らないので、そのテクニックの詳細について語ることはできないが、日本代表の試合を見る限り、生まれながらのストライカーであると思う。

 一方、現在の代表の守備の核となる選手のことはよく知っている。GKの権田修一は私のチームの第3GKだったし、吉田麻也はサンプドリアでプレーしているので今でもそのプレーはよく目にする。それから長友佑都。もう私の知っている若者ではなく、立派なベテランに育ったが、そのスピードと見事な足さばきは今も変わらない。ヨーロッパでのすばらしい冒険を経て東京に戻った彼は、その経験を多くの若い選手たちに伝えることができるだろう。

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