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サウジ戦で同じ失敗を繰り返す森保ジャパン。指揮官の悪手が目立つ不安の根源とは (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 ところが、実際は何ら明確な策が講じられないまま、いずれの試合も終盤の失点に至っている。

 今回のサウジアラビア戦を見ていても、MF柴崎岳のパスミスが失点に直結したが、後半開始早々にも柴崎のボールロストから決定的なピンチを招いていたし、同じような失い方は前半にも何度かあった。

 柴崎だけではない。失点の少し前には、DF長友佑都がGK権田修一に雑なバックパスを送り、あわや大ピンチというシーンもあった。思いどおりに試合を進められていないにもかかわらず、危機意識に欠けたプレーが続いていた。失点の予兆がないなかで、突如"事故"が起きたわけではない。

 また、本来なら修正を施すべき指揮官の悪手も目立つ。

 森保監督は試合後の会見で、「柴崎は疲労が見えていたので、交代しようとしていたところでの失点となった」と話していたが、60分前後での失点ならともかく、71分である。遅きに失した感が否めないのは、決して結果論ではない。

 結局はオマーン戦に続き、プレー強度が落ちているのをただ見ているだけの展開になり、失点を繰り返す結果となった。

 もちろん、まだまだ巻き返しは可能だ。3試合を終えて1勝2敗は、日本の実力を考えれば屈辱的な数字だが、これからサウジアラビアとオーストラリアも潰し合う。予選突破をそれほど危ぶむ必要はない。

 それでも、勝ち点差どうこうは別にして、同じことが繰り返されている現状には不安が募る。

 幸いにして、中東にも冬は来る。オマーンとのアウェーゲームが行なわれる11月になれば、当地の気温も下がり、日本のプレー強度も高く保てるかもしれない。

 しかし、その一方で、これから先のホームゲームでも、海外組が長距離移動と時差に悩まされることに変わりはない。だとすれば、同じことが再び繰り返される心配は当然残る。

 森保監督は「進化するために常に修正するところはある」としつつも、「ベースの部分で方向性は間違っていない」とも話す。

 否定はしない。

 だが、現在の日本代表に感じる不安の源は、ベースの方向性が正しいか否か、ではない。むしろ正しいと固執しすぎるがゆえの、柔軟性の欠如である。

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