ノジマステラ神奈川相模原で注目の松原有沙。チームを「W杯で優勝したなでしこジャパンのようにしていきたい」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Aflo

 登録はMFだが、今は主にセンターバックを任されている。守備では対人の強さを見せて、相手を封じ込める。攻撃では最終ラインから持ち味である精度の高いロングキックでサイドや前線に展開し、攻撃をリードしている。

「攻撃では今年、サンデイ・ロペスという高身長の選手(182㎝)が入ってきたのが大きいですね。今までだとボールを回せないなか、前に蹴っても大きな選手がいなかったので、なかなか収まらないことが多かったんです。でも、今は前でしっかりと収めてくれるので、それはひとつの戦術になるのかなと。ただ、もちろん自分たちもボールを持ってプレーする時間がほしいですし、そういう展開もできるチームになるようにしていきたいですね」

 182㎝の大きく厚いFWが前線でプレーする迫力は、なかなかものだ。これからフィットしていけば、松原の言うとおり攻撃の軸になっていきそうだ。

 外国人選手を入れて戦力をアップさせたノジマステラ神奈川相模原は今シーズン、どういうサッカーを展開していくのだろうか。

「基本的には全員攻撃、全員守備です。特に守備は大事にしていて、失点しなければ負けることがないので、いかに失点をしないか、選手一人ひとりのポジショニングを意識しています。試合は、無失点でいきたいですね。サッカーはなかなか点が入らないので、いっぱい点が入ったほうが見ている人は楽しいと思うんですけど、自分は点の取り合いはイヤです。でも、1-0で耐えるのもイヤです(苦笑)。3-0ぐらいが一番、余裕を持ってプレーできるので毎試合、圧勝したいですね」

 ノジマステラ神奈川相模原が攻守に覚醒すれば、初代女王争いは混沌としていくだろう。

そうして、リーグ戦が盛り上がることは大事だが、女子サッカーの人気はまだ代表に依存しているところが大きい。男子もそうだが、日本サッカー界は、構造的に代表チームがサッカー人気をリードしている。特に女子サッカーはそうで、2011年W杯優勝でなでしこ人気に火がつき、2012年のロンドン五輪の銀メダルでさらに勢いが増して、なでしこリーグの試合には1万人を越えるファンがつめかけた。代表が盛り上がらないとリーグが盛り上がらないという状況は今も10年前とそれほど変わっていない。

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