日本代表は何度同じことを繰り返すつもりなのか。腑に落ちない最終予選の初勝利

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

カタールW杯アジア最終予選特集

 日本が中国に1-0と勝利し、ワールドカップ最終予選2戦目にして初勝利を挙げた。

 初戦を落としていたことを考えれば、この試合で必要だったのは、何より勝ち点3だ。より多くの得点が取れるに越したことはないが、1-0の結果自体にさしたる問題はない。

 決勝ゴールを決めたFW大迫勇也も、追加点がとれなかったことについて「課題であるのは間違いない」としつつも、「素直に今日は勝ちを喜びたい。この勝ち点3でチームが勢いに乗れればいい」と話している。

 内容的に見ても、前回のオマーン戦に比べれば、チーム全体が前方向への意識を強く持ってプレーできていたのは確かだ。

 日本はテンポよくボールを動かしてサイドに起点を作り、そこから縦への突破。あるいは、斜めにクサビのパスを入れ、コンビネーションで中央を崩す。そうした攻撃で相手ゴールに迫った。大迫の得点以外にも、入っていてもおかしくないシュートシーンはいくつかあった。

 特に前半は中国が驚くほど引いて守りを固めてきたこともあり、下手をすればこう着状態に陥りかねない試合だったが、そこで違いを生み出したのは、MF伊東純也とMF久保建英である。

大迫勇也のゴールをアシストした伊東純也大迫勇也のゴールをアシストした伊東純也この記事に関連する写真を見る 伊東は、これぞウイングという縦へのドリブル突破から決勝点をアシストしたばかりでなく、後半もスピードを生かした鋭いプレスからチャンスメイク。他の2列目の選手とは明らかに異質な才能を見せていた。

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