2021.08.31

W杯アジア最終予選と言えば? 脳裏に焼きついている試合「トップ3」

  • photo by AP/AFLO

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位=日本3-2イラン
1998年フランスW杯最終予選アジア第3代表決定戦(1997年11月16日/マレーシア)

 ワールドカップ最終予選に限らずとも、日本代表戦史上において最も印象に残るのは、この試合かもしれない。

 ここに至るまでに起きた波乱の出来事の数々。互いに点を取り合い、延長までもつれ込んだ試合展開。そして、ワールドカップ初出場という結末。すべての要素が、このうえなく劇的だった。この先、これを超えるインパクトを残せる試合があるとすれば、日本がワールドカップで優勝する時くらいだろうか。

 ただし、ワールドカップ出場が難しかった時代のほうが、どうしても「ハラハラ、ドキドキ」は大きくなりやすく、必然、単純に印象的な試合を選んでしまうと、アメリカ大会やフランス大会の最終予選ばかりになりかねない。2位以下は、少し視点を変えて選んでみたい。


2位=日本1-2イラン
2006年ドイツW杯最終予選(2005年3月25日/イラン)

 これほどのアウェー感を味わったことがない、という意味でかなり印象的な試合だ。

 10万人収容の巨大なアザディスタジアムに超満員の観衆が詰めかけたばかりか、"無賃観戦"の多くのファンが、スタジアムの壁や照明塔によじのぼって試合をのぞき見る。まさに立錐の余地もないスタンドに、男たちの野太い声が響き渡る迫力は、ヨーロッパや南米でもそうはお目にかかれないものだった。

 先制され、追いつき、勝ち越される、という試合展開もそれなりに面白かったが、それ以上にゾクゾクするようなスタジアムの雰囲気が記憶に残っている。


3位=日本2-0北朝鮮
2006年ドイツW杯最終予選(2005年6月8日/タイ)

 日本が勝ってワールドカップ出場を決めた試合であると同時に、中立地のタイ・バンコクで、しかも無観客で行なわれた特殊な試合である。北朝鮮との力関係を考えれば、負ける心配はそれほどなく、内容的にもさしたる見どころはなかったが、試合前から何とも言えない重苦しさと、未体験ゆえの不気味さを感じる試合だった。

 一般のファンは入場できないにもかかわらず、スタジアムの周囲に多くの日本サポーターが集まり、試合中に声援を送っていたことも印象深い。

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