日本代表は常にベストメンバー招集が良いのか。新戦力や国内組が少ないことの問題点

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

カタールW杯アジア最終予選特集

 W杯アジア最終予選オマーン戦(9月2日)、中国戦(9月7日)に向けた日本代表メンバーが発表された。

GK 
川島永嗣(ストラスブール)、権田修一(清水エスパルス)、谷晃生(湘南ベルマーレ)
DF
長友佑都(無所属)、吉田麻也(サンプドリア)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)、酒井宏樹(浦和レッズ)、山根視来(川崎フロンターレ)、室屋成(ハノーファー)、植田直通(ニーム)、中山雄太(ズウォレ)、冨安健洋(ボローニャ)
MF
原口元気(ウニオン・ベルリン)、柴崎岳(レガネス)、遠藤航(シュツットガルト)、伊東純也(ゲンク)、南野拓実(リバプール)、守田英正(サンタクララ)、鎌田大地(フランクフルト)、板倉滉(シャルケ)、堂安律(PSV)、久保建英(マジョルカ)
FW
大迫勇也(ヴィッセル神戸)、古橋亨梧(セルティック)

 東京五輪に選ばれたU-24世代の選手は6人(谷、板倉、冨安、中山、久保、堂安)にとどまった。GK谷を除く5人は、従来から代表に入っていた選手たちだ。新たに抜擢されたフィールドプレーヤーは誰もいなかった。これでは、五輪で特に大きな発見はなかったと言っているも同然である。

フル代表に選ばれた東京五輪出場のU-24世代は久保建英ら6人だったフル代表に選ばれた東京五輪出場のU-24世代は久保建英ら6人だったこの記事に関連する写真を見る 五輪は、基本的にはアンダーカテゴリーの大会だ。メダルを逃しても、育成、発掘に成功すれば実利がある。しかし特段、大きな発見がなかったとなれば、それは森保一監督の強化策が失敗したことを意味する。そう言われても仕方がない。

 育成、発掘より目の前の勝利を過度に優先する森保監督の傾向は、東京五輪における采配を通して明るみに出ていた。

 その結果、出ずっぱりになる選手と、そうではない選手との差が拡大。チームとしての体力、総合力は試合を重ねるごとに低下していった。五輪直後に記した原稿で、森保監督の一番の問題点と指摘したが、2022年カタールW杯アジア最終予選という新たな段階を迎えても、その傾向は健在なようだ。

 日本、オーストラリア、サウジアラビア、中国、オマーン、ベトナムの6カ国で争われるアジア最終予選。計10試合の戦いだ。長丁場の戦いである。

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