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なでしこジャパン、最後まで直らなかった悪癖。世界と戦うために精神論以外にもある問題点 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 このゴールにも絡んでいたのが清水。彼女が頻繁に駆け上がったことで日本は何度も好機を生んだ。熊谷が控えているとはいえ、持ち場を離れて何度もアップダウンを繰り返すことは容易ではない。清水から長谷川につなぐ時により効果的だったのが、ダイレクトパスだった。長谷川が阿吽の呼吸で走り出す。2人によって組み立てられた攻撃は最もゴールの香りを漂わせた。

 後半には、清水自ら中へワンツーをもらいに走り込み、思い切りシュートを狙った場面もあった。彼女に限っては、相手が強豪・スウェーデンであることを感じさせないプレーを貫いていた。それでも、2失点目は、自身が振り切られて決められていたことで、彼女の涙も止まらなかった。

 2019年のプロ契約をきっかけにフィジカルトレーニングにも取り組んできた。

「ヒョロヒョロだったので吹っ飛ばされることも多かった」(清水)

 それでも「相手を消すサイドバックになりたい」とワールドカップで痛感した1対1の強度にも取り組んできた。上々の仕上がりで臨んだが、やはり世界は強かった。

「世界のサイドハーフはレベルアップしてきてる。そこを自分が止めるか止めないかで勝敗に関わってくるというのをこの大会を通じてすごく思いました。対人能力はもっともっと高めていかないといけない」

 清水は涙の中にもさらなる成長を誓った。

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