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日本は男女ともにメダルのチャンス!? 五輪サッカーの行方を占う「七不思議」 (3ページ目)

  • 宝田雅樹/National Football Teams-Results●文&データ
  • text&data by Takarada Masaki/National Football Teams-Results

◆なでしこジャパンの「天敵」
 なでしこジャパンは東京五輪のグループリーグでカナダ、イギリス、チリと対戦する。なかでも、警戒すべきは第2戦で対戦するイギリスだ。

 イギリス代表を構成するメンバーは、女子W杯において直近2大会で連続ベスト4入りを果たしている強豪イングランド。なでしこジャパンのイングランドとの対戦成績は1勝2分5敗と分が悪く、高倉麻子監督体制となってからは3連敗中だ。

 まさに日本にとっては「天敵」と言える相手。2019年W杯のグループリーグでも0-2と完敗を喫している。                     

【なでしこジャパンのイングランドとの対戦成績】
1981年=日本0●4イングランド(親善試合/日本)
2007年=日本2△2イングランド(W杯/中国)
2011年=日本0●2イングランド(W杯/ドイツ)
2013年=日本1△1イングランド(親善試合/イングランド)
2015年=日本2○1イングランド(W杯/カナダ)
2019年=日本0●3イングランド(SB杯/アメリカ)
2019年=日本0●2イングランド(W杯/フランス)
2020年=日本0●1イングランド(SB杯/アメリカ)
※( )内は大会名/開催国。SB杯=シービリーブス杯


◆捻じれが生じた五輪女子サッカーの「ジンクス」
 男子サッカーでは前年のバロンドール受賞者がいる国はW杯で優勝できない、いわゆる「バロンドールの呪い」という有名なジンクスが存在する。実は、女子サッカーにもこれに相当する「FIFA最優秀選手賞の呪い」といったジンクスがある。W杯と五輪の前年にこの賞を受賞した選手がいる国は優勝した例がないのだ。

 通常、女子W杯は五輪の前年に開催されるため、女子のFIFA最優秀選手賞はW杯優勝国から選出されることが多い。おかげで、W杯優勝国が五輪では金メダルを逃す、という結果が続いている。

 これまでのジンクスどおりであれば、2019年の女子FIFA最優秀選手のミーガン・ラピノー擁するアメリカの金メダルは厳しい状況にあったが、東京五輪は新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、1年延期。ジンクスの対象国は2020年の女子FIFA最優秀選手のルーシー・ブロンズ擁するイギリスになった。

 つまり、アメリカは不吉なジンクスを回避。2大会ぶり5度目の金メダルへ、追風が吹いていると言える。

【FIFA女子最優秀選手受賞者を擁する国の世界大会成績】
2003年W杯=3位(ミア・ハム/アメリカ)
2004年五輪=3位(ビルギット・プリンツ/ドイツ)
2007年W杯=準優勝(マルタ/ブラジル)
2008年五輪=準優勝(マルタ/ブラジル)
2011年W杯=ベスト8(マルタ/ブラジル)
2012年五輪=準優勝(澤穂希/日本)
2015年W杯=4位(ナディネ・ケスラー☆/ドイツ)
2016年五輪=ベスト8(カーリー・ロイド/アメリカ)
2019年W杯=ベスト16(マルタ/ブラジル)
※女子FIFA最優秀選手賞は2001年に創設。( )内は前年度FIFA最優秀選手/国籍。☆印で記したナディネ・ケスラーは2015年W杯不参加

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