森保監督のマネジメントの良さはどこにあるのか。選手選考や起用方法などを考察 (4ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

 もちろん、他の選手との連携を高める必要はあるが、監督が違うためになにもかもが新しい状況で力を発揮しなければならなかった過去のケースとは異なる。森保監督にしても選手の特性がどのポジションにあって、どういう局面で生きやすいかを把握しているため、A代表の戦力へと組み込みやすい。

 五輪世代には、これまでA代表に招集されなかったのが不思議なくらいのプレーを見せてきた田中碧や三苫薫などの選手が控えているし、今回の東京五輪の代表メンバーからは外れた選手たちも巻き返しを期している。さらに、リオデジャネイロ五輪世代にしても、現在のチームの主力が同世代の南野拓実や遠藤航であることを踏まえれば、「自分も!」と奮起する可能性は高い。

 チームづくりは、建築と同じで基礎工事をしっかりやった土台に建てるのが重要で、それが強固なものにつながっていく。森保監督にとって、これまでの3年間は基礎工事の期間で、一つ一つの仕事に労を惜しまずに丁寧に取り組んできた。それだけに、ここからどれだけ強固な日本代表をつくってくれるのかは、楽しみでならない。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る