日本代表が南米の強豪を下した歴史的一戦。指揮官は「犠牲的精神」を強調した (3ページ目)
◆「日本サッカーは確実に進歩している」。かつてイングランド代表戦で贈られた日本代表への賛辞
ザックジャパンはその日、〝日本人らしさ"を誇っている。それは解析すると、勤勉さ、緻密さ、俊敏さ、協調のようなものだろうか。
真っ向勝負ができた理由は、主力の半数以上が欧州の最前線にいたこともあるだろう。この試合を前後して、本田がCSKAモスクワでチャンピオンズリーグ(CL)ベスト8を経験し、長友がインテルでCLベスト8、内田篤人がシャルケでCLベスト4に進出。彼らはアルゼンチンにも引け目を感じなかった。
このアルゼンチン戦は、エポックメーキングだったと言えるだろう。その余勢を駆って、ザックジャパンはプレー様式を完成に近づけ、アジア王者になった。それは後に自己肥大につながっていくわけだが、南米の雄と対等に戦った試合が、新時代突入の刻印を押したのは確かだ。
(つづく)
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