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日本代表がW杯直前に演じた強豪とのドロー劇。高原直泰「能力的にドイツ選手に劣っていない」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

日本代表が強豪国と戦う時(3)~ドイツ
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 ドイツ、ブンデスリーガと日本人サッカー選手の相性は大変にいい。

 1970年代に奥寺康彦、1980年代に尾崎加寿夫の両氏が突破口を開いた後、2000年代に入って高原直泰が〝中興の祖"のように拠点を作ると、長谷部誠、香川真司、内田篤人などが次々に後を辿り、道を広げていった。現在も多くの日本人がブンデスでプレーし、2020-21シーズンは長谷部、鎌田大地(ともにフランクフルト)、遠藤航(シュツットガルト)の3人がベストイレブンに相当するような活躍を見せている。

 同リーグで、「日本人」は優良銘柄だ。

 ドイツの土壌は、日本人の成長を促してきた。岡崎慎司はドイツ経由でイングランドに渡りプレミアリーグ王者になり、乾貴士はドイツを経てスペインで定位置を確保。酒井宏樹もドイツからフランスに渡り、キャリアを積み上げていった。

「日本人選手はドイツ人と似て、常にチームの勝利のためにベストを尽くすメンタリティを持っている。忍耐強く練習するし、規律を守る。誠意と向上心は特筆すべきで、それはサッカー選手に欠かせない」

 大久保嘉人の取材でヴォルフスブルクに訪れた時、当時のドイツ人指揮官フェリックス・マガトはそう語っていたが、似た者同士と言えるのかもしれない。日本人にとって、ドイツほどの好敵手はいない。

 2006年5月、レバークーゼン。当時、ジーコが率いた日本代表はドイツワールドカップの開幕を数日後に控え、開催国ドイツと一戦を交えている。エース、ミヒャエル・バラックを擁する強豪にどこまで戦えるか。下馬評は当然、ドイツ有利だった。

2006年、ドイツ戦で2ゴールを決めた日本代表の高原直泰2006年、ドイツ戦で2ゴールを決めた日本代表の高原直泰 日本は開始から押し込まれる。身長190センチ前後の選手を多数そろえてきたドイツに対し、高さとパワーで後手に回った。セットプレーを奪われては非力さを見せる。直後のワールドカップ開幕戦で、オーストラリアの高さとパワーに逆転されたが、この時の教えを生かせなかったということか。前半をスコアレスで折り返せたのは、多分に相手がチャンスをふいにしてくれたからだ。

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