スペインの名指導者が推す東京五輪でカギを握る7人。「U-24世代では1、2を争う逸材」と絶賛した選手は? (3ページ目)
久保建英(レアル・マドリード)
ガーナ戦では上田、堂安と際立った連係を見せていた。先制点は久保が持ち込んで打ったシュートのこぼれ球を堂安が叩き込み、2点目は上田がキープして戻したパスを久保が決めた。セットプレーのキッカーとしてショートコーナーを選択するなど、戦況を見通したプレーも目を引いた。
ジャマイカ戦でも、中断直後のスローインに抜け目なく駆け出し、ドリブルから4人また抜きシュートを決めた。個人技でゴールを奪えるアタッカーだ。トップの上田の背後を横へ大きく動き、幅を使ったポジション交換で、相手を慌てさせていた。左利き独特のリズムがあり、左サイドバックの旗手怜央からも好パスを受けている。シュートに持ち込むスピードも図抜けて速い選手だ。
上田綺世(鹿島アントラーズ)
プレーの定理を深く理解している。イメージを感じさせ、明確なビジョンがあるのだろう。前線で積極的な動き出しを繰り返してボールを呼び込み、サイドにも流れる。何より、味方と呼吸を合わせるプレーの質が高い。エリア内だけでなく、エリア外でも周りとのコンビネーションによって攻撃を活性化できるFWだ。
空中戦に対しても怠惰ではない。ガーナ戦での空中戦の勝率はそれほどでもなかったが、チームを前に引っ張っていた。ボールを受けて走るパワーもすばらしい。ガーナ戦では、エリア内でディフェンスと並走しながらボールを強引に収め、キープして深みを作ると、マイナス方向の久保へ戻して、2点目が決まった。クロスに対して飛び込むタイミングも良く、酒井のクロスはオウンゴールになったが、適切な動きだった。あえて苦言を呈するなら、ターンには改善の余地はある。
ジャマイカ戦は後半から出場し、3点目を決めた。スルーパスに対し、ゴールへ最短距離で走り込んでいる。GKの体勢を見極めたループシュートは、スキル、ビジョンが横溢していた。
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