スペインの名指導者が推す東京五輪でカギを握る7人。「U-24世代では1、2を争う逸材」と絶賛した選手は? (2ページ目)
ジャマイカ戦は右サイドで重厚感をもたらしていた。久保建英との連係も良好。スローインのリスタートもめざとかった。
遠藤航(シュツットガルト)
ひとりのサッカー選手として、非常に高いプレークオリティを持っている。オーガナイザーとしてのテクニックは十分だし、タックルに入る時の激しさもすばらしく、プレービジョンを身につけている。日本代表の試合では、相手ボールに食いつきすぎてしまって背後を取られるゲームもあったが、U-24日本代表では攻守一体の軸としてチームを機能させている。
ガーナ戦、ジャマイカ戦、ともに周りの選手との連係も良かった。とりわけ、田中碧とは良好なサポート関係。チャレンジ&カバーによって、高さを変えながらズレを生み出し、プレーを有効にしている。
◆U-24日本代表はアテネ金のアルゼンチンを彷彿。OA3人が「史上最強」と言えるわけ
田中碧(川崎フロンターレ)
極めてプレーセンスが高いMFと言えるだろう。遠藤との連係は抜群だ。補完関係を作るのがうまく、攻撃の選手のプレーも促している。プレースピードが飛び抜け、精度も落ちないだけに、相手を凌駕できる。3月のU-24アルゼンチン代表戦では、ひとり別次元にいた。準備の段階で勝っており、相手を翻弄。すばらしい将来性を持った選手で、U-24の世代では1、2を争う逸材と言える。
ガーナ戦の6点目。中盤で壁パスを繋げながらボールを運び、スペースを作り出し、それを使わせるという戦術的プレーは瞠目に値した。あえて言えば、もう一段階、空中戦のレベルを上げることだろう。世界を相手にした時、ウィークポイントを持たないことが大事になる。
堂安律(PSV)
左利きのアタッカー。久保とのポジション交換で、相手に致命的なダメージを与えられる。ガーナ戦では、久保が打ったシュートのこぼれ球をフォローし、ボレーで叩き込んだ。
スキルの高さは今までも歴然としていたが、最近はビジョンを使えるようになった。周りを使う力が増したといえばいいだろうか。フル代表にも選ばれており、サイドでの1対1からのカットインが持ち味だったが、それ一辺倒になりがちなところもあった。しかしここ1年で、選手として成熟したように映る。ジャマイカ戦の2点目の田中への戻しは、周囲がよく見えていたし、4点目ではシュートポジションで待って相馬からのパスを引き出し、冷静に打ち込んでいる。
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