森保ジャパンのセルビア戦を数字で分析。ビルドアップには苦戦、相手3バックの守備には成果も (2ページ目)
セルビアのストイコビッチ監督は3-4-2-1(3-4-3)を採用してきた。森保監督が就任して以降、日本が3バックの相手と対戦した試合は過去7度あったが、今回のセルビアと同じ3-4-2-1(3-4-3)相手との対戦は、昨年10月13日のコートジボワール戦が直近になる。
ただ、この時は途中で相手が4バックに戦術変更し、日本が対3バックの守備対応を実践できたのは約40分間。しかも、相手攻撃陣のスピードを警戒してか、日本も前から守備に行くことを控え、ほとんどは4-4-2もしくは4-5-1の陣形で、構えて守っていた。唯一、日本の対3バックの守備対応に変化が見えたのは、前半立ち上がりの数分間だった。
だが今回のセルビア戦では、その変化の部分が改めて見て取れた。
相手のビルドアップに対し、日本は1トップの古橋亨梧、両ウイングの伊東純也、南野拓実の3人が3バックをマークし、トップ下の鎌田大地は1列低い位置で相手のボランチの1人をケア。さらにもう1人の相手ボランチに対しては、ボランチの守田英正もしくは橋本拳人のどちらかが前に出てパスコースを封鎖した。
相手の両ウイングバックには、日本の両サイドバック(SB)が対応するかたちで、対3バックの守備を実践した。その時の陣形は、両SBが高めにポジションをとった、4-3-3だ。
これにより、思うようなビルアップができないセルビアは、無理にパスをつないで前進するリスクを避け、前線に大きくボールを蹴るシーンが増加。前半の多くの時間帯で、セルビア側が蹴ったボールを日本のDF陣が跳ね返すという、いわゆるアンストラクチャーな局面が多く見られた。
その点で、日本の前半のボール支配率が55.9%だったことも含め、対3バックの守備対応で一定の効果を示したと言える。おそらく、今後も日本が4バックで相手が3バックを採用する試合では、この守備方法で対応することになりそうだ。
一方で、試合後にストイコビッチ監督が「我々が守備的にならざるを得ないと予想していたが、前半はうまく日本の中盤を抑えることができた」と振り返ったように、前半の日本の攻撃が乏しい内容だったのも事実。
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