スペインの名伯楽がU-24代表16人を個別評価。「可能性を感じたのは...」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

FW
久保建英(ヘタフェ)
 第1戦はトップ下で非常にいい働きを見せた。ドリブル、クロス、パス、そしてシュートに対する反応の速さは特筆に値する。質の高いランニングで深みもつけていた。1対1では抜群の強さを見せたが、それだけに終始せず、旗手、三笘などとの連係が光った。自らファウルを誘い、セットプレーでも存在感を見せた。ボールを持っていないときの動きもクレバーで、例えば終盤に食野が無理やりシュートを放つ場面があったが、完全に裏を取っていた。

 第2戦もトップ下で出場。速い連動の中で精度の高いプレーを見せた。また、キッカーとしても優れ、CKから2アシストを記録している。

田川亨介(FC東京)
 第1戦に1トップで先発したが、ボールに絡む機会は限られていた。相手選手が腕を振って顔を殴ってくるなど、災難にも遭った。アルゼンチンがタイトにスペースを限定するなか、チームの攻撃機会が限られていた。しかし相手が守りを固めるなかで放った右足のミドルシュートには非凡さがあり、もう少しポテンシャルを生かす形でのプレーが見てみたい。第2戦は交代出場、気合が空回りしたか、プレッシングのタイミングが全体とズレていた。

林大地(サガン鳥栖)
 第2戦に1トップで先発。裏へのランニングで、ボールを引き出していた。先制点はまさにその形で、ゾーンで守るディフェンスを手玉に取った。ゴールに対して直線的で最短距離を走り、動きの質は高い。GKと対峙した時も余裕を感じさせた。

食野亮太郎(リオ・アベ)
 第1戦はトップで交代出場。シュートの意識は高い。ただ、無理に足を振った場面は完全に久保がフリーだった。第2戦は左アタッカーで先発。ゴールに対するアプローチの果敢さは伝わってきたが、ボールに絡む機会は決して多くなかった。脅威を与えられる選手という予感はあるのだが......。

 エチャリはU-24日本代表の選手たちについて「ほとんど丸ごと入れ替えられるほど人材が多い」と高く評価した。次の代表戦は6月シリーズ。東京五輪まで、新たな戦力の台頭もありそうだ。

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