スペインの名将が韓国戦を分析。ボランチ2人を称賛「あえて苦言を言うなら...」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

◆日本代表、敗れてこそ。挫折が改善を生んだW杯史、中田英寿の出現>>

「前半6分、日本は持ち前のコンビネーションのよさを見せる。左サイドでいくつかのパスを素早くつなぎ、ゴール前まで切り込むと、大迫、佐々木翔とつなぎ、最後は鎌田が狙った。韓国の守備をほぼ、無力化していた。

 この試合のベストプレーヤーというか、焦点をあてたいひとつが、ボランチの2人だろう。遠藤航、守田英正は非常に質の高い仕事をしていた。お互いが常にサポート関係を保って、チャレンジ&カバーをほとんど失わなかった。おかげでイ・ガンインに仕事をさせず、満足な攻めの形を作らせていない。基本的には、遠藤がディフェンシブなカバーに回って、守田がゴール前まで果敢に飛び込むのが特徴的で、攻守一体だった。

 あえて苦言を呈するなら、2人が同じ方向に行ってしまい、スペースを与えるシーンがあった点だろう。そこは両サイドを担当した伊東純也、南野拓実がよく帰陣して守っていたが、改善の余地がある。

 自分たちがペースをつかんだことで、敵陣での攻撃機会が増えた。そして16分、守田の縦に入れたパスは相手にカットされるも、それを大迫がヒールで流し、エリア内で受けた山根視来が右足を振り抜いた。山根は右サイドバックであり、波状攻撃がもたらした先制点と言える。

 その後、韓国は必死にラインを越えようとしてきたが、日本は前線とボランチで挟み込み、それを堅く阻んでいる。そして奪っては素早く攻めかかる。そのシーンがいくつか見られた後だ。

 27分、奪い返したボールを大迫が持ち上がり、右サイドの鎌田へパス。鎌田はマークに付いてきた相手に間合いへ入らせず、ほとんどフリーで右足を振って、逆サイドに叩き込んだ」

 エチャリは厳しい指摘も加えつつ、日本の戦いを淡々と賛美している。

「後半に入っても、総じて日本のペースだった。ただ、多くの選手を試す意図があるとはいえ、交代選手が入るたび、少しリズムが悪くなっていったか。ボールロストの機会が増え、押し込まれるシーンがあった。

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