「高さ&強さが非力」「終盤に劣勢」。日本代表はW杯の敗北を糧にできたのか (2ページ目)
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敵指揮官の立場だったら、どこで誰を用いて日本を相手に勝負をかけるか??―。その答えを出すのはあまりに簡単だろう。
過去に唯一、その隙を与えなかったチームが南アフリカW杯の日本代表だ。
中澤佑二、田中マルクス闘莉王のセンターバックは空中戦を得意とし、アンカーに入った阿部勇樹も高さで負けなかった。サッカーそのものはリアクションで、攻撃はカウンターとセットプレーに特化し、能動的なものではなかったが、しぶとく守ることができた。たとえ相手が放り込んできても、跳ね返せたのである。
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現在の代表センターバック、吉田麻也(サンプドリア)と冨安健洋(ボローニャ)は、ともにセリエAで戦い、高さに屈することはない。U-24日本代表に選ばれている瀬古歩夢(セレッソ大阪)、渡辺剛(FC東京)も、高さ・強さを武器としている。センターバックの人材はひと昔前と比べると、かなり充実しつつあるだろう。
また、ロシアW杯では、吉田、昌子源が屈強な相手アタッカーと対等に戦っていたものの、中盤に阿部のように高さをカバーできるディフェンシブなMFがいなかった。
世界的に、アンカーやボランチのポジションの選手は大型化している。マンチェスター・シティのようにポゼッション型のチームであっても、MFロドリ(ロドリゴ・エルナンデス)は身長191センチで、高さが弱点にならない。アタックエリアに侵入するのは、小柄な選手でも俊敏で技巧的なら何の問題もないが、中央部は受け身に晒されるだけに、世界標準では高さ・強さも求められるのだ。
だが現在の日本は、このポジションでも人材に恵まれている。
橋本拳人(ロストフ)、遠藤航(シュツットガルト)、田中碧(川崎フロンターレ)の3人は世界で戦えるMFだ。攻守一体のプレーが持ち味。攻撃ではゴール前に迫るダイナミズムを感じさせながら、簡潔迅速なパス出しでプレーを動かし、守備では準備動作が早く、読みに優れるだけでなく、球際でも負けず、ボールを奪う技術にも長けている。
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