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明神智和が日本代表を検証。目についた欧州組と今後期待の国内組とは? (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 ちょっと心配なのは、今後の試合日程です。3月に予定されていたW杯アジア2次予選のひとつ、ミャンマー戦が開催延期となりましたし、その後のスケジュールも見通せない状態にあります。

 とはいえ、代表戦がないことで選手のモチベーションが低下することはないと思います。選手各々が所属クラブでしっかりとリーグ戦を戦っていますから。

 ただ、最初にも言いましたが、やはり代表活動の機会が限られ、集まったときに短時間でチームを作っていかなければいけない難しさは、コロナ禍にあって、今後さらに強まるかもしれません。そんな状況のなか、いかに短時間でチームとして、あるいはグループとして、意思疎通を図れるかが大切になってきます。

 今まであれば、練習でトライしたことを試合でトライして、それでも合わなかったら、次の練習で合わせられるようにしよう。そういうことができました。でも、その時間がなくなってしまうと、例えば、わずか3日間で今まで以上に濃いサッカーの話をして、コミュニケーションをとっていかなければいけないでしょう。

 そんななかでも守備はかなりよくなっていると思うので、その守備を生かしつつ、ここからどう点を取っていくか。そこを楽しみにしています。

 3月に開催予定となっているW杯アジア2次予選のモンゴル戦(3月30日)は、もしかすると、国内組だけで日本代表を編成することになるかもしれません。

 もしそうなったら、それはそれでものすごく楽しみです。昨秋のヨーロッパ遠征ではチャンスがなかったJリーグでプレーする選手には、「海外組には負けてられない。今度はオレたちがやってやる!」という気概は絶対にあると思いますし、そういう気概も含め、そこで実際に力を出せる選手というのが、海外組に混じってもやっていける選手だと思います。

 無事にモンゴル戦が行なわれてほしいと思いますし、誰が選ばれるのか、選手選考も含めて楽しみにしています。

明神智和(みょうじん・ともかず)
1978年1月24日生まれ。兵庫県出身。現役時代は柏レイソル、ガンバ大阪、名古屋グランパス、AC長野パルセイロでプレー。日本代表でも活躍し、2002年W杯に出場。2019年に現役を引退し、2020年から古巣ガンバのアカデミーコーチを務める。

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