柱谷哲二の最重要ミッションは「監督と選手の仲を取り持つこと」だった (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 柱谷は、さっそく動いた。

 オフトは食事をコミュニケーションの場として重視していたので、全員で一緒に食事をとると決め、途中で部屋に戻るのを許さなかった。オフトからよく『観察しろ』と言わていた柱谷が食事会場をよく見てみると、いつも同じテーブルに同じ選手が座っている。これでは特定の選手間でしかコミュニケーションが取れないし、言い合えるような環境にはなりにくい。

「観察していると、たとえばカズの隣にはいつも北澤(豪)がいて、毎回一緒なんですよ。それで福田とゴン(中山雅史)と井原に『5分早く行って、違うところに座ってくれ』と頼んで、ホテルには『円卓を大きなテーブルにしてほしい』とお願いしたんです。そうすることで森保(一)がカズの隣に座ったり、徐々に選手間で会話が弾むようになった。初歩的なことですけど、こういうのをすごく大事にしていました」

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