柱谷哲二の最重要ミッションは「監督と選手の仲を取り持つこと」だった (3ページ目)
柱谷は、さっそく動いた。
オフトは食事をコミュニケーションの場として重視していたので、全員で一緒に食事をとると決め、途中で部屋に戻るのを許さなかった。オフトからよく『観察しろ』と言わていた柱谷が食事会場をよく見てみると、いつも同じテーブルに同じ選手が座っている。これでは特定の選手間でしかコミュニケーションが取れないし、言い合えるような環境にはなりにくい。
「観察していると、たとえばカズの隣にはいつも北澤(豪)がいて、毎回一緒なんですよ。それで福田とゴン(中山雅史)と井原に『5分早く行って、違うところに座ってくれ』と頼んで、ホテルには『円卓を大きなテーブルにしてほしい』とお願いしたんです。そうすることで森保(一)がカズの隣に座ったり、徐々に選手間で会話が弾むようになった。初歩的なことですけど、こういうのをすごく大事にしていました」
3 / 8