攻撃的か守備的か。森保ジャパンのシステム使い分けは成功するのか (3ページ目)
実際、62分からのピッチ上には、1トップに小川航基、2列目には三好、堂安律、久保建英の3人が配置され、アタッカーを3人から4人に増やして反撃を試みた。さらに87分には、ボランチの田中駿汰を下げて前線に前田大然を投入。陣形にとらわれないスクランブルな態勢にして、さらに前線の人数を増やしてゴールを目指した。
もっとも、慣れないシステムは機能せず、その采配は奏功しなかったが、少なくともシステム変更の意図は明確で、試合後の森保監督のコメントとも合致した。
一方、気になるのは4-2-3-1をメインとするA代表のオプション、つまり3-4-2-1の使い方とその効果だ。
これまで森保監督がA代表の試合で3-4-2-1を使ったのは、今年6月のトリニダード・トバゴ戦とエルサルバドル戦の2回。とりわけエルサルバドル戦では、日本が2-0でリードしていた後半途中で3-4-2-1から4-2-3-1にシステム変更を行なっている。
守備的な布陣から攻撃的な布陣へとシフトチェンジしたことで、たしかに日本のボール支配率が上昇し、シュート数も増加。ゴールこそ奪えなかったが、システム変更後の日本の攻撃が活性化したことは明らかだった。
ただし、2-0とリードしているなかで攻撃的布陣にシフトチェンジすることは、W杯予選やW杯本大会では考えにくい選択だけに、オプションの3-4-2-1でスタートしたことも含め、エルサルバドル戦のシステム変更はテスト的な意味合いが強いものだったと思われる。
そこで注目されるのは、まだ一度も試されたことのない4-2-3-1から3-4-2-1へのシステム変更だ。その時、ピッチで起こる現象と森保監督の狙いは一致するのか。
そしてそのテストがA代表で行なわれるようになった時、これまで守備的布陣の3-4-2-1をメインとしてきたU-22代表の、本番に向けたチーム作りにも大きな影響を及ぼす可能性がある。
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