攻撃的か守備的か。森保ジャパンのシステム使い分けは成功するのか (2ページ目)
「私が東京五輪世代の監督になった時、まず自分がこれまでやってきたことをベースにして、オプションとして4バックを試した。最終的に3バックと4バックのどちらがベースになるかは、招集した選手のストロング(ポイント)によって決めたい」
これは、森保ジャパンが今年6月にトリニダード・トバゴとの国内親善試合を戦ったあとの会見で、「五輪世代は3バックでA代表は4バックという認識で間違いないか?」という質問に対して指揮官が発したコメントだ。
「自分がこれまでやってきたこと」とは、もちろんサンフレッチェ広島時代に森保監督が培った3-4-2-1のことを指す。
続いて、A代表の布陣については次のようにコメントしている。
「私がロシアW杯をコーチとして経験させてもらったなかで、まずは西野(朗)監督がやられていたこと(4バック)がA代表の選手に合っていると思い、トライしようと思った。これまでの活動のなかで戦術的にはスムースにできていると感じていたので、急いで次のオプション(3バック)を作るより、ベースを固めながらオプションを作ることを考えた」
つまり、東京五輪世代のメインシステムは3-4-2-1で、オプションが4-2-3-1。一方のA代表は、メインが4-2-3-1で、オプションが3-4-2-1。これが、二足のわらじを履く森保監督の考え方になる。
では、森保監督はそれぞれの布陣をどのような戦局で使うと考えているのか? オプションを語る時、そこが極めて重要なポイントになるが、「どちらを使ってもコンセプトは変わらない」とコメントするだけで、これまではオプションの使い道について具体的に語ったことはなかった。
しかしU-22 コロンビア戦後の会見で、指揮官はその点についてようやく口を開いた。
「我々が追う展開になり、今日のメンバーを見た時に前線に攻撃力のある選手がベンチに控えていたので、前線の人数を増やすことで攻撃的に得点を狙いにいくと考えた」
つまり森保監督の認識では、4-2-3-1は攻撃的な布陣で、3-4-2-1はそれよりも守備的な布陣と考えていると解釈できる。
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