久保と堂安が揃い踏みもU-22代表はなぜ期待外れに終わったのか

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 期待が高まっていただけに、肩透かしを食らった感も大きかった。堂安律(PSV)と久保建英(マジョルカ)が初めて揃い踏みしたU-22日本代表は「現時点でのベストメンバー」(森保一監督)で、U-22コロンビアを迎撃するはずだったが、前半から劣勢の展開に。堂安と久保のA代表コンビは随所に優れた個人能力を見せ、何度か連携でも敵陣を崩したものの、チャンスは散発的で前半に決定機は生まれなかった。
U-22コロンビア戦は、途中出場でプレーした三好康児U-22コロンビア戦は、途中出場でプレーした三好康児 その理由のひとつには、前線の基準点がなかったことが挙げられるだろう。CF上田綺世(鹿島アントラーズ)はこのチームでダントツのトップスコアラーだが、特長は動き出しにあり、ボールを収めることが最大の武器ではない。堂安と久保を生かすのであれば、中央は動き回るストライカーではなく、確実にポストプレーをこなせるタイプのほうが良さそうに見えた。

「(前半に外から見ていて)バイタル(エリア)が空いている印象があったので、僕のところに入れてくれれば、タケ(久保)とリツ(堂安)が前向きでサポートし、良いタイミングで顔を出してくれると思っていました。このチームにとって、彼らが前向きでプレーするのは相当大事なので」

 試合後にそう振り返ったのは、ハーフタイムに上田に変わって投入された小川航基(水戸ホーリーホック)だ。日本は後半早々に右サイドから攻略されて失点してしまったが、攻撃面に関しては明らかにリズムが良くなり、51分には堂安の左からのクロスに小川が走り込んで、惜しいシーンをつくった。

 59分に再び右サイドを崩されてコロンビアに追加点を許すと、森保監督はその3分後に三好康児(アントワープ)と原輝綺(サガン鳥栖)を投入し、システムを4-2-3-1へ変更。2列目には左から久保、堂安、三好と3人のレフティが並んだ。

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