森保J、キルギスの術中にはまる。長友、酒井が上がれなかった理由 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by KYODO

 身近なところでは、イビチャ・オシムが日本代表で使用している。2006年のガーナ戦だ。ハビエル・アギーレ時代の日本代表もしかりである。布陣表記こそ4-3-3だったが、長谷部誠(フランクフルト)がマイボール時に両センターバックの間まで下がると、それはサッと3-3-3-1に切り替わった。

 日本人指導者には見当たらないアイディアだ。少なくともJ1レベルでは見たことがない。概念が浸透していないからだろう。森保監督しかり。なぜ選択肢は4-2-3-1と3-4-2-1の二択なのか。水と油と言うべき、コンセプトが真逆な関係にある両者なのか。4-2-3-1から3-3-3-1への移行がそれほど難しくないことは、韓国代表時代のヒディンクによって証明されている。

 キルギスはタジキスタンとは異なり、この試合を最後まで優勢に進めた。日本を術中にはめたまま、試合を終えることができた。来年、日本ホームで行なわれるリターンマッチは見ものである。今回、大いに自信をつかんだに違いないクリスティニン監督が、次戦どんな戦いを仕掛けてくるか。森保監督の力量が問われる試合と言ってもいいだろう。キルギスから学ぶべきことは大いにあったはずだ。学習効果を発揮することはできるだろうか。

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