U-17日本代表、アメリカ相手にドローも「2試合で勝ち点4は最高」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 これで勝ち点を4に伸ばした日本は現在、2連勝で勝ち点6のセネガルに次ぐグループ2位。最後の第3戦はセネガルとの直接対決となり、日本は勝てば1位通過、引き分ければ2位通過が決まる。

 また、仮に日本が敗れたとしても、同組のもうひとつの試合、オランダ対アメリカが引き分け、あるいはオランダの勝利に終われば、日本は2位通過が決定。アメリカが勝った場合は、日本とアメリカが勝ち点4で並ぶが、現時点での得失点差は日本が+3、アメリカは-3と大きな開きがあり、日本がよほどの大敗でも喫しない限り、2位を確保する可能性は高い。

 万一、アメリカがオランダに4-0、5-0といったスコアで大勝し、グループ2位の座を譲ることになったとしても、日本は4点差以上の負けでなければ(得失点差0以上であれば)、3位(各組3位のうち成績上位4チーム)での通過が決まる。

 こうして現状を整理すると、苦しいなりに手にした勝ち点1の意味がどれほど大きいかがわかるだろう。森山監督が語る。

「(アメリカ戦で)勝ち点1を失ったら、次のゲームプランが変わってしまう。ハーフタイムには、『勝ちにいくが、失点だけはしないように。0-0でオーケー』と選手には言っていた」

 日本が属するD組にはそもそも強豪が集まっており、日本の苦戦は必至と思われていたグループである。森山監督も「(大会前は)2試合で勝ち点4が取れたら最高だと思っていた。第3戦に勝って滑り込みで3位(で突破)という(展開になる)可能性もあった。それを考えれば、選手は(引き分けて)ガッカリしている部分もあるが、かなりうまくいっている」と満足そうに語り、笑顔を見せる。

 グループリーグ突破がほぼ確実となった状況に、指揮官は「(今までの試合に)出ていない選手にはご褒美になるし、出ていた選手は(体力を)セーブできる」とし、続く第3戦で大きくメンバーを入れ替えることを明言。「それで勝てたら最高」と続けたように、控え組の面々がここまでの勢いをさらに加速させられるようなら、日本は最高の雰囲気で決勝トーナメントに向かうことになるだろう。

 満足できない試合内容での引き分けに、選手の顔には笑顔がなかった。2連勝での決勝トーナメント進出決定はならなかった。

 だが、目標とするベスト4進出へ向け、17歳以下の若き日本代表は依然、順調に歩みを進めている。

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