2019.10.09

長谷部誠後の日本代表キャプテン像。必要なのは闘将よりも頭脳派か

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福田正博 フットボール原論

■現代サッカーにおいてかじ取り役の中盤の選手であるボランチの重要度はさらに増している。日本代表はこのポジションでキャプテンを務めた長谷部誠が代表を引退後、今後、軸となるのは誰になるのか? 元日本代表の福田正博氏に聞いた。

 ボランチの役割のひとつは、広い視野を持ったうえで、フィールドの味方11人と相手の11人すべてを把握して、どういうふうにチームをまとめていくか道筋を決めていくことにある。日本代表の森保一監督は、現役時代にこのポジションを務めたこともあり、監督としても後方から支援していくタイプと言えるだろう。

 まずチーム全体を見て、各選手のいいところを伸ばし、足りないところは誰かがカバーすればいい。彼自身は現役時代、ラモス(瑠偉)さんの守備の負担を軽くするために、ラモスさんの後ろで走り続けていたことがまさにそれにあたる。現在の日本代表のチームの作り方もそのプレースタイルに近いのではないだろうか。

 古今東西、いつの時代も「あの選手は、もうちょっと守備ができると…」または「攻撃ができると…」と言われることがある。だが、守備力がやや心もとない選手でも、それを補って余りある攻撃力があるのであれば、守りは守備力の高い味方がカバーすればいい。両方やらせようとするのではなく、得意分野の能力を最大限発揮できるようにすることが重要だと私は考えている。もちろん、攻守両面で高いレベルを要求し続けることも一つの考え方で、否定はしない。しかし、それは「ないものねだり」になりかねない。無理に不得手なことをやらせるのではなく、個々の特長を発揮できるようにすべきだ。

 たとえば、久保建英について守備面に不安があると言う人がいる。もちろん、最低限チームのためにやらなければいけないことはやるべきだが、そこにエネルギーを使いすぎることで、彼が持っているストロングポイントを失ってしまっては本末転倒だろう。