岩渕真奈に手応え。なでしこは東京五輪に向けて選択の時が来た (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 あえて固定を避けてきた高倉監督が求めたサッカー観の構築と個々のレベルアップは、ゴールを挙げた長谷川唯、籾木結花(ともに日テレ・ベレーザ)らを筆頭に、宮川麻都(日テレ・ベレーザ)や杉田妃和(ひな/INAC神戸レオネッサ)といった若い選手の成長に一定の成果を得たのではないだろうか。

 今回のような"固定"を継続していくとしても、バランスを見誤るとオリンピックの連戦を戦い抜くことは不可能だ。この試合で、もう少し攻撃の組み立てやパスミスが激減するなどの副産物があればよかったが、やや中途半端感は否めない。

 東京オリンピックまでに、選手リストの枠を「これ以上広げない」と明言している高倉監督だが、チームの成熟と個々の厚みを両立するために、どの程度"固定"の恩恵を引き入れるのか。来月は南アフリカとの親善試合が控えているが、指揮官としては大きく舵を切るラストチャンスだろう。東京オリンピックに向けて、選択するべき時が来たのではないだろうか。

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