2019.07.17

20年前のワールドユース全試合フル出場。
黄金世代・酒井友之の誇り

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 チーム一丸となってベスト8でメキシコを撃破し、準決勝ではウルグアイを倒した。

 全力で相手を倒していく中、全試合にフル出場を果たした酒井は決勝にたどりついた時には、疲労困憊だったという。しかも試合前の食事にそれまでは出ていたおにぎりやうどんが、決勝前だけ出なかった。選手は戦う前に、エネルギーを確保できぬままスペイン戦に臨むことになるのだが、結果は無残なものに終わった。

「スペイン戦は、ここまで来たら全部出し切って優勝を目指そうと思ったけど、試合の入りが悪かったし、決勝に行けたことで満足感がちょっと出てしまったかなあと思います。でも、それ以上にスペインがすごくうまくて驚いた。シャビがいたけど目立たないくらい中盤でのポゼッションがうまくて……。自分たちはコンパクトにしてボールを取りにいこうとするんだけど取れないし、正確なサイドチェンジをやられたり、サイドにはスピードもある選手がいて攻められて、もうどうにもならなかった。しかも最後の試合だったせいかかなり疲れていて、体力的にも力尽きてしまった。(小野)伸二がいないのがあったし(警告累積で出場停止)、試合前の食事とか100%の準備をして戦いたかったなと思いますけど、たぶんそれでも結果は変わらないくらいスペインは強かったです」

 酒井は、スペインに負けたものの、決勝まで全試合に出場し、フルタイムで戦えたことに満足感を得ていた。実際、最終ラインの3人とGK南雄太以外で全試合にフル出場したのは酒井しかいなかった。「当時もそのあとも考えられないくらい走っていた」と酒井は苦笑したが、強敵相手にサイドラインを常に全力で上下動していたのだ。

 準優勝は、やり遂げた末の結果だった。

「世界2位になったメンバーに自分が入れて結果を出せたのは、すごく誇りに思っています。本当にすばらしいメンバーが揃っていたし、力を持っている選手が集まっていた。たぶん、もう1回あの大会をやり直しても決勝に行くだろうっていうぐらい、チームに力を感じました。今だったらチームの半分以上の選手が欧州に移籍していたんじゃないですかね。自分も行けていたかもしれない(笑)。準優勝という記録は今も破られていないし、この先、自分が生きている間に記録を破られることもないかもしれない。そのくらいすごいことをやったというプライドが今もあります」