2019.06.27

コパ・アメリカで日本代表が
突きつけられた深刻な課題

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Watanabe Koji

 まずは、森保監督が選んだスタメンである。初戦のチリ戦から中2日で迎えた2戦目のウルグアイ戦では、スタメン6人を入れ替えたが、中3日で迎えたエクアドル戦では2戦目のメンバーをベースにスタメンを編成。唯一、安部裕葵を久保建英に変更した。

 森保監督の頭の中にある今大会の目的を考えた場合、2戦目のウルグアイ戦のスタメン編成からは、経験と勝敗の割合が4対6、もしくは3対7と見ることができたが、エクアドル戦のチョイスからは、その割合は1対9に変化したと見ることができる。経験重視から勝ち点重視へ。実際、その傾向は森保監督が見せた後半の選手交代策からも見て取れた。

 ちなみに、今大会一度もピッチに立てなかった選手は招集23人のうち5人。つまり彼らを除くと、奇しくも五輪登録メンバー可能人数の18人になる。また、3戦ともスタメン出場を果たした選手は植田直通、冨安健洋、杉岡大暉、柴崎岳、中島翔哉の5人。冨安と杉岡はU-22なので、植田、柴崎、中島が、オーバーエイジ枠3人にすっぽりとはまる。

 これが意図的なのか偶然なのかは現時点で知る由もないが、森保監督が今大会を東京五輪のシミュレーションとして臨んだ可能性は高まったと見てよさそうだ。

 だとすれば、エクアドル戦も含めた今大会の3試合で採用し続けた4-2-3-1が、五輪本番用のメインシステムと考えるのが自然だろう。

 残された疑問は、森保監督がメンバー招集の段階から4-2-3-1を考えていたのかどうかという点だ。4バックの際の純粋なサイドバックが1人もいなかったことからすると、メンバー発表後に心変わりしたのか、もしくはこれまで3-4-2-1で強化を図っていた東京五輪世代の選手たちを4バックに順応させる腹積もり、ということになる。

 おそらく後者の可能性が高いと思われるが、いずれにせよ、その矛盾がそのままピッチ上で露呈してしまったのが、今大会で浮き彫りになった最大の問題点だった。