板倉滉がボランチ柴崎岳のすごさを実感。「ああいうふうになりたい」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 やっぱり、いい時は全体が見えているし、パスが来たときには次のプランがある。それが、ウルグアイ戦ではなかった。自分に来た相手を気にしすぎたり、パスのコントロールミスがあったり......」

 プレー強度やスピードの速さで負けていたのではなく、あくまで自分自身に問題があったと、板倉は言う。

「ミスをした後に、『ここが空いていたな』というのも徐々に見えてきた。技術的な問題でもあるし、視野の狭さもあった。ただ、今日の試合(エクアドル戦)ではさらに見えるようになってきたので、もっとやりたかったというのが正直な気持ちです」

 186cmの板倉は、日本のボランチのなかでは長身なほうである。足のリーチも長く、恵まれたフィジカルを誇っている。守備に関して、デュエルにスランプはない。ウルグアイ戦の中盤以降、板倉は激しい守備を繰り返すことで徐々にリズムを掴み、調子を上げていって視野の広さを確保した。

 そして、A代表2試合目となったエクアドル戦では、相手のプレッシングを受けながらも、板倉は遠くにいる味方の姿がしっかり見えていた。

「相手のボランチが、僕と柴崎岳選手に食いついてきた。だから、僕はパスを受けることも考えつつ、奥にいた久保(建英/レアル・マドリード)くん、中島(翔哉/アル・ドゥハイル)さん、岡崎(慎司/レスター・シティ)さんが空いているのが見えていたので、自分にマークを引きつけてパスコースを作ろうと意識しました」

 今回のコパ・アメリカでは、キャプテンマークを巻いた柴崎が大健闘を見せていた。若い選手たちをプレーで引っ張り、チームリーダーとしての役割もしっかりと果たしていた。

 中盤でコンビを組んだ板倉は、どのような目で柴崎を見ていたのだろう。

「柴崎選手が気を遣って、僕を見ながら自分のポジションを取ってくれていたので、すごくやりやすかったです。あれだけ試合状況やチーム全体のことを考えてポジションを取ってくれる選手がひとりいると、そこで落ち着きが生まれる。『ああいうふうになりたい』と思いました。

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