板倉滉がボランチ柴崎岳のすごさを実感。
「ああいうふうになりたい」
エクアドルと戦った日本代表のボランチは、2戦目のウルグアイ戦に引き続き、柴崎岳(ヘタフェ)と板倉滉(フローニンゲン)がコンビを組んだ。ポゼッション時にはこのふたりがチームのメトロノームとなってリズムを刻み、相手に主導権を握られた時間帯では汚れ仕事を引き受けた。板倉滉(左)は積極的な守備でエクアドルの攻撃の目を摘み取った 勝たなければコパ・アメリカの決勝トーナメントに進出できない日本は、試合終盤の88分に板倉を下げて、FWの前田大然(松本山雅FC)をピッチに送り出した。結局、試合は1-1のままで終わったが、前回のウルグアイ戦に比べて著しくプレーが改善した板倉は「もっと試合をしたかった」と語る。
A代表デビューマッチとなったウルグアイ戦は、22歳の板倉にとってほろ苦いものだった。開始2分に自陣でボールをルイス・スアレス(バルセロナ)に渡してしまい、あわやゴールになりそうな強烈なミドルシュートを打たれてしまった。
その後もパスミスやトラップミスが続くなど、板倉のプレーは安定しなかった。中盤でバタつき、心もとないと感じた人も多かっただろう。
2019年1月、板倉はマンチェスター・シティと契約を交わすと、そのままオランダリーグのフローニンゲンに貸し出された。板倉はほぼ全試合でベンチ入りすることができたものの、結局トップチームでデビューを飾ることはなく、オランダ1部リーグでの出場時間はゼロに終わった。
その間、板倉の実戦経験はオランダ3部リーグ(アマチュア1部リーグに相当)での3試合。計270分間にとどまった。ウルグアイ戦のバタつきは、試合勘不足によるものだろうか?
「試合勘のせいにしてはダメだと思いますし、緊張もしてなかった」。ウルグアイ戦後、板倉はそう言って続けた。
「久しぶりの試合ということや、(CBではなく)ボランチということもあって、見えている範囲が狭かった。もちろん、周りの状況をよく把握しようと思って試合に入ったのですが、なかなか視野が広がらなかった。プレスに来た近くの相手に目が行きがち、というシーンが多かった。
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