2019.02.02

打つ手がなかった森保Jの限界。
カタール戦で噴出した「采配のツケ」

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 1人目である武藤嘉紀(ニューカッスル)が原口と交代で投入されたのは後半17分。間違いなく遅すぎだ。

 日本はその7分後(後半24分)に1点差に迫るが、塩谷司(アルアイン)に代わり伊東純也(柏レイソル)を投入した2度目の交代はなんと後半39分。さらに南野に代わり乾貴士(アラベス)を投入した3人目の交代は後半44分だった。

 リードしている側が行なう時間稼ぎを兼ねた交代ではあるまいし、交代選手を信用していない点、アイデアに乏しい点、判断、反応が遅い点は目に余る。

 極めつきは終盤、大迫勇也(ブレーメン)、武藤、堂安、乾(南野)、伊東が前戦に5枚並んだ布陣だ。守備的MFは塩谷がベンチに下がった後、柴崎岳(ヘタフェ)ひとりだったので、4-1-5(!)になる。堂安と武藤をインサイドハーフとしてみなせば4-3-3になるが、そう解釈するのは好意的というか、無理矢理な話だ。

 最後の最後になって、地味だった監督が突如、奇想天外な作戦に出たという印象である。奇想天外というより無茶苦茶と言ったほうがいい。非論理的な、とても日本代表をW杯でベスト8に導こうとする監督の采配には見えない。

 日本代表の選手のレベルは、だいたい把握している。こんなものだろうという線は見えている。彼らの世界的な評価は各クラブでのプレーをとおして明らかになっている。だが、監督にはそうした物差しがない。サンフレッチェ広島時代、Jリーグで3度優勝した実績が、世界的にどれほどのものなのか。

 アジアカップで、選手以上に注目されていたのは森保監督だった。しかし、見られているという自覚が、彼にはどれほどあっただろうか。