5度目のアジア王者へ。森保ジャパンの敵は「自分たち自身」

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by JFA/AFLO

 実に不気味な相手である。アジアカップ初戦の相手、トルクメニスタンのことだ。

 4大会ぶり2度目の出場となる彼らは、2018年3月にアジアカップ予選最終ラウンドの最終戦をバーレーンと戦って以来、国際Aマッチを戦っていないのだ。

アジアカップ初戦に向けて練習メニューをこなす森保ジャパンアジアカップ初戦に向けて練習メニューをこなす森保ジャパン「そんなに情報がない」(原口元気/ハノーファー)、「数少ない情報のなかで分析スタッフが映像を作ってくれた」(北川航也/清水エスパルス)という言葉を聞けば、スカウティングもひと苦労だったことがうかがえる。

「キルギスと似ているのかな、と思います」と語ったのは、室屋成(FC東京)である。

 日本は11月にキルギスと親善試合で対戦した。このとき、キルギスは5−4−1の布陣で守りを固めてきたが、守備ブロックはほころびだらけで、日本が4度、キルギスゴールをこじ開けた。

 もっとも、そのキルギスは1月7日、中国との初戦で見違えるようなパフォーマンスを披露し、先制に成功。最後は逆転負けを喫したが、中国を苦しめることに成功した。同じようにトルクメニスタンが日本戦で勇猛果敢に仕掛けてきても不思議はない。

「そんなに強いチームではないけれど、絶対に点が獲れないチームでもない」と警戒するのは、GK権田修一(サガン鳥栖)だ。トルクメニスタン戦のスタメンが予想される守護神は続けて、「守ってばかりのチームではなく、正しい攻撃を仕掛けてくるチーム。うちがピンチになるシチュエーションを作れるチームだと思いました」と分析した。

 トルクメニスタンの中心は、前日会見にも登壇したMFルスラン・ミンガゾフだ。17歳だった2009年のモルディブ戦で代表デビューを飾り、現在チェコのスラビア・プラハに所属するサイドアタッカーは、ドリブル突破からのスルーパスやゴール前への飛び出しを得意とする好プレーヤーだ。

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