スペインの慧眼がベネズエラ戦の日本を評価「守備のクオリティは高い」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 その後、日本は選手交代で選手を試しながらも、チームとしてのコンセプトは崩れていない。途中交代で入った原口元気(ハノーファー)はプレーインテンシティの高さで、チームにパワーを与えていた。同時に、彼がボールを失った後は、チームとしてのリアクション、ポジション的優位性を失っていない。

 それだけに、後半36分の失点はやらずもがな、だった。せっかく奪ったボールを杉本健勇(セレッソ大阪)が自陣内で受けるが、迷いが出たのか。これを引っ掛けられて奪われ、エリア付近に入れられたボールをCBが2度クリアしきれず、拾われた後にフリーでエリア内に入れられる。混乱があったのか、酒井が不用意なファウルを仕掛けてPKを与えてしまい、トマス・リンコンに決められた」

 エチャリは勝てるはずの試合を追いつかれる結果に苦言を呈した。ただ、戦い方全般には及第点を与えている。

「過去3試合と比べると、攻撃のスピードにいくらか問題はあった。喜びにあふれるような攻撃は少なく、仕掛けのプレーは封じられていた。とはいえ、守備の面では抜群のクオリティを見せた。あるいはチームとして、守備に重心を置きながら戦っていたのかもしれない。それぞれがポジションを守って、しっかりブロックを作りながらも、前線のプレスは鋭く、献身的だった。守りでリズムを作りながら、攻撃を好転させている。戦いを積み上げ、基本路線は間違っていない」
(つづく)

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