森保Jの布陣は変化するか。2つの顔を見せたキルギス戦で残った疑問 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 一方の日本の森保監督は、予告どおりベネズエラ戦と異なる11人をスタメンにセレクト。布陣は4-2-3-1のままにして、GKも含めたすべてのポジションの選手を入れ替え、アジアカップのグループリーグ用の準備試合に臨んだ。

 さらに、予定どおりなのか戦況に応じてなのかはわからないが、約30分を残した後半59分に一気に3枚代えを慣行。つまりこの試合で日本が見せた"2つの顔"は、結果的にここが大きな境目となった。

 これらスタメン編成と選手交代策について、あるいはチームをAとBの2つに分けて戦うことについては賛否両論あるだろう。ただ、森保監督の狙いとしては、30分程度はAチームの選手とBチームの選手を同時にピッチに立たせることで、コンビネーションの確認作業を行なったと考えることもできる。

 いずれにしても、結論から言えばBチームで戦ったキルギス戦の約60分間は、2点をリードしたもののあまりポジティブな結果は得られなかった。

 では、5-4-1で低く構えて守っていたキルギスに対して、日本はどのようにして崩そうとしていたのか? それを見ていくうえでポイントになるのが、森保ジャパンの調子のバロメーターとも言えるボランチからの縦パスだ。

 まずこの試合のボランチに配置されたのは、青山敏弘(サンフレッチェ広島)に代わって追加招集された守田英正(川崎フロンターレ)と、三竿健斗(鹿島アントラーズ)。どちらも序盤から積極的に縦パスを前線に供給し、守田(右ボランチ)は後半59分までに11本(うち成功9本)、三竿(左ボランチ)は12本(うち成功9本)を入れ、攻撃の起点となっていた。

 もちろん対戦相手のレベル差が大きく影響していることは間違いないが、ベネズエラ戦の遠藤航(シント・トロイデン/右ボランチ)と柴崎岳(ヘタフェ/左ボランチ)が1試合でそれぞれ6本だったことを考えると、この試合は森保ジャパンの狙いどおりのサッカーができていたと受け止めてよさそうだ。

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