2列目トリオにどこまで迫れるか。北川航也がブレイクする日は近い (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 もっとも目を引いたのは、初スタメンとなった北川である。トップ下の位置に入った22歳のストライカーは、ふたつのゴールに絡んだことに加え、間でボールを受ける能力の高さも示した。

 また、守備の献身性も備わり、及第点以上を与えられる出来だった。本人も「中間でポジションを取って、前を向けたら前を向くし、向けないなら、はたいてもう一回、動き直すというところは自分のなかで意識してやれた。やりたいことを少しは体現できたのかなと思います」と、手ごたえを口にしている。

 代表デビューを果たしたのは、わずか1カ月前。10月のパナマ戦だった。前回は小林悠(川崎フロンターレ)の負傷による追加招集だったが、今回は堂々のメンバー入りである。パナマ戦では30分足らずの出場だったが、継続的に招集されたのは、指揮官の期待の表れだろう。

 早くから将来を嘱望されてきた大器も、そのキャリアは決して順風満帆ではなかった。2013年のU-17ワールドカップではメンバーから落選。リオ五輪も候補にとどまった。所属先の清水エスパルスでも主軸とはなりきれず、飛躍のキッカケを掴めずにいた。

 しかし、プロ4年目となる今季、開幕からスタメン出場を続けると、夏場以降にゴールを量産。ここまで13得点はリーグ6位タイ、日本人では小林悠、興梠慎三(浦和レッズ)に次いで3番手につける。

 その活躍が自信となっているのだろう。日本代表でも臆することなくプレーしているように見える。

 デビュー戦となったパナマ戦では、果敢にゴールに向かう姿勢を示し、ベネズエラ戦でもあわや初ゴールかという場面を迎えている。そしてスタメン出場を果たしたキルギス戦では、鋭い仕掛けから先制点の起点となり、72分には巧みな落としで大迫のゴールを演出した。

「サコ(大迫)くんのところは見えてましたね。自分でトラップしてもいいんですけど、確率を考えた結果で(パスをした)。あそこでターンして持っていければ、自分としての幅も広がるかなと思うけど、アシストにはなった。少しずつ前に進むっていうことが大事かなと思う。このひとつひとつの自信を成長に変えられればなと思います」

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