痛快さを抱かせる安部裕葵。
日本にもこんなに面白い19歳がいる (5ページ目)
「トップ下」の解釈は、もう少し微妙になる。1トップ下ならFW的だが、2トップ下ならMF的だ。安部が高校時代、どっちのトップ下でプレーしていたのか定かではないが、個人的にはFWであって欲しいと考えている。
そうして、今回のU-19代表にはMFとして選出された。
安部はどちらの方向に進むか、方向が定まっていない選手。完成形が見えていない選手だ。本人にどう思っているのか尋ねてみると、飄々とこう述べた。
「まだ僕は19歳ですから」
「もう30歳ですから」と答える選手はいても、「まだ19歳ですから」と答える選手は珍しい。
「内田(篤人)、柴崎(岳)がそうでしたが、自分を冷静な目で客観的に見ることができる選手です」とは、チーム関係者から入手した安部評だが、確かに泰然自若としている印象だ。そんなに急かせてどうするの? と戒められた気にさえなった。
自分に自信がある証拠だろう。鹿島の「30番」兼U−19代表の「10番」は、とても面白い19歳に見えるのだ。
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