海外組合流の森保ジャパン。「ギラギラ」と「緊張」の化学反応はいかに (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 少ないタッチ数でボールを動かしながら相手のプレスをかわし、くさびのパスや縦パスで相手の守備ラインを越えて裏を突く、というのは森保監督の提示するプレー原則のひとつ。その際、大迫のポストプレーを生かし、2列目の伊東純也や原口元気、北川航也らが飛び出す形を作れれば、コスタリカ戦とはまた異なるスピーディな攻撃を見せられるだろう。

 ピッチの中でフレッシュなメンバーとワールドカップの主力組の融合が進められている一方で、興味深いのは、その両グループが漂わせる雰囲気だ。ワールドカップの主力組である長友がフレッシュなメンバーから感じ取ったのは、やはりギラギラ感だ。

「(コスタリカ戦では)僕たちが若いころに出てきたばかりで、ギラギラしていたような、何の恐れもないプレーを見せてくれたような気がする。実際に練習からすごくフレッシュなので」

 それが、ベテランの自分たちにとって刺激になり、危機感を覚えさせてもいるという。

 一方、国内組を代表する選手である青山は、ワールドカップ組が加わって、緊張感が生まれたという。

「それはグラウンドだけではなくて、ホテルでも、移動でもそう。ロシア組がそうした雰囲気を意図して作っているのか、自然になのかはわからないですけど、やっぱりみんな意識するものがあると思う。自分自身もそうだし、越えなきゃいけない壁がそこにあると思うので、そこは刺激をもらいながら挑んでいければいいと思う」

 この両グループが混じり合い、"ギラギラ感"と"緊張感"が掛け合わさったとき、どうなるか――。その化学反応こそが、新生・日本代表の魅力であり、カラーになっていくはずだ。

 ロシア大会でワールドカップ初出場を飾ったパナマは現在、世代交代を推し進めている最中というが、今回は日本サッカー協会との契約により、ワールドカップメンバー15人を招集。長距離移動による疲労や時差ボケなどでコンディションが万全ではないようだが、戦術の浸透と両グループの融合を図るには打ってつけの相手といえる。

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