海外組合流の森保ジャパン。「ギラギラ」と「緊張」の化学反応はいかに

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 本当のスタート、と言えるかもしれない。

 森保一監督率いる新生・日本代表にとって2戦目となるパナマ戦のことである。9月に行なわれたコスタリカ戦は、あえてロシア・ワールドカップで活躍した選手たちをひとりも呼ばず、フレッシュなメンバーで戦った。アグレッシブな試合運びとあいまって、新時代の到来を感じさせたのは間違いない。

日本代表の10月シリーズにはロシア・ワールドカップの主力組が合流した日本代表の10月シリーズにはロシア・ワールドカップの主力組が合流した そこに今回、長友佑都、吉田麻也、大迫勇也、原口元気、酒井宏樹、柴崎岳らワールドカップの主力組が、いよいよ合流した。

「これからが本番やなっていう感覚があります。ここから生き残っていかなければならないうえで、高い壁がある。そこにどうやって食い込んでいくか」

 コスタリカ戦で先発した右サイドバック、24歳の室屋成が語れば、同じくコスタリカ戦でトップ下を務めた同じ年の南野拓実も力を込める。

「ワールドカップのメンバーが合流したなかで、僕としてはアジアカップまでのサバイバルに勝ち残っていきたい」

 つまり、来年1月のアジアカップUAE大会に向けて、4年後のカタール・ワールドカップに向けて、本当のサバイバルが幕を開けた、というわけだ。

 パナマ、ウルグアイと対戦する10月シリーズのテーマは、メンバー発表会見で指揮官が明かしたように、「戦術の浸透」と「融合」である。

 ボールを奪い合う場面で戦う姿勢を見せ、ひたむきに、タフに粘り強く、最後まで戦い抜く。攻守において連係・連動して、攻撃的に戦うが、守らなければならないときはしっかり守り、速攻を仕掛けられるときには仕掛け、相手に守りを固められたらボールを握りながら崩していけるようにする。つまり、戦況や対戦相手によって臨機応変に、対応力を持ってやっていく――というのが、コスタリカ戦で示された基本コンセプトだ。

 そうした枠組みのなかで、今合宿では攻撃の練習に時間が割かれているようで、「練習では監督の意図したワンタッチの縦パスだったり、くさびだったりというのを、すごく多くやっています」と青山敏弘が明かす。

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