森保ジャパン招集メンバーに矛盾あり。なぜ乾が外れて長友が入った? (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Sano Miki

 乾は、ロシアW杯で日本のベスト16進出の1、2を争う立役者だ。所属のベティスでも出場を果たしている。次回、カタールW杯の2022年には34歳。年齢的に見ると4年後の可能性は高くはないが、長友(32歳)が今回、選ばれたことを考えれば、その違いはどこにあるのか、気になるところだ。

 結局、2019年1月にUAEで行なわれるアジアカップを考えた選出なのだろう。そこで好成績を狙うために、長友は欠かせない選手だと森保監督は踏んだのだろう。

 しかしその結果、貴重な左利きである車屋が外れることになった。左サイドバックの候補として残ったのは佐々木翔(サンフレッチェ広島)だった。

 先のコスタリカ戦でも、佐々木の評価は車屋を上回っていた。スタメンを飾ったのは佐々木で、車屋は交代出場にとどまった。森保監督の佐々木評は高い。広島繋がりのよしみが多分に働いていると考えられるが、単純にサイドバックとしての能力に限れば、車屋の方が上だ。佐々木が上回るとすれば、森保監督が3バックを選択したときの対応力だろう。4バックのサイドバックというより、3バックの一角の方が似合っていると見る。

 車屋には、3バック時のウイングハーフ(ウィングバック)に欠かせない「槍」的な要素はない。4バックのサイドバックとしての適性が他を大きく勝っている。

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