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サブ降格を経験した背番号10、
三好康児がアジア大会で学んだこと (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 その点、準々決勝以降の会場となるボゴールのスタジアムはピッチコンディションがよく、スタジアムでの前日練習のあと、岩崎が「まるで日本のピッチみたい」と語るほどだった。それゆえ、三好も「これまでよりもボールを動かしやすいし、仕掛けやすくなると思います」と力強く語っていた。

 サウジアラビアは2016年のU-19アジア選手権の決勝で顔を合わせ、PK戦の末に下した相手でもあった。その試合に出場していた三好は、「あのとき出ていた選手もいますし、また、この舞台で戦えるのは楽しみだなって」と笑顔をのぞかせた。「攻撃の選手は得点で評価が決まってくるところがある。点を獲る準備はしています」とも。

 受け答えの際の明るい表情と、中2日という厳しい日程――。だからてっきり、サウジアラビア戦では三好がスタメンで起用されるものだと思い込んでいた。

 ところが......。

 サウジアラビア戦のスターティングリストに、三好の名前は、またしてもなかった。60分からシャドーに入って2-1の勝利に貢献したが、この試合で左足首を痛めると、準決勝のUAE戦ではアップをすることなく、ベンチから戦況を見守り続けた。

 三好の期する想いと覚悟について聞けたのは、決勝の韓国戦前日のことである。

「自分たちも人生をかけてサッカーをやっている。韓国には韓国の理由がありますけど、自分たちもしっかり戦わなければならない理由があるので、気持ちの部分でしっかりと上回れるようにやっていければな、と思います。

 この大会が自分たちの人生において、すごく大きな大会になると思っていますし、ここで人生を変えるくらいのつもりで全員がやってきた。優勝することでしか見えない景色があると思いますし、その先には自分たちの描いている夢があるので、韓国にも負けない気持ちはあると思っています」

 韓国の選手たちは金メダルを獲得すれば兵役が免除されるが、自分たちもサッカーに人生をかけている――。そうきっぱり言い切り、高いモチベーションと示したのだ。

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