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森保采配で持ち味発揮。
「高校No.1ストライカー」が輝きを取り戻した (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 もっとも、「あの2ゴールで吹っ切れた」と語ったように、これまで岩崎はU-21日本代表で存在感を示せていたわけではない。今年1月のU-23アジア選手権では得点源として期待されたが、4試合中3試合に出場して、ノーゴールに終わった。

 ゴールが遠いのはなにも代表だけではない。所属する京都でもこの2シーズン、思うようにゴールが奪えていないのだ。

 プロ1年目の昨季、35試合に出場したのは高卒ルーキーとして立派だったが、ゴールネットを揺らした回数は2回しかなかった。シーズン序盤は途中出場が多く、先発の座を勝ち取ってからは、サイドハーフでの起用が続いた。求められたのは、スピードを生かして突破し、中央で待ち構える田中マルクス闘莉王やケヴィン・オリスにチャンスボールを供給すること。なかなかゴール前まで入っていけなかった。

 そのため、1月のU-23アジア選手権で岩崎は、「これだけゴールが奪えないのは初めて」と悩ましげな表情を浮かべていた。

 今季もサイドハーフとして起用され、チャンスメーカーの立場に変わりはない。さらに、チームの不調もあいまって、25試合に出場して1ゴールにとどまっている。

 ウイングバックでの起用もあるかもしれない――。

 今大会前、岩崎はそう思っていたという。それは、クラブでチャンスメーカーの役割をこなす自分を冷静に分析しているようで、ストライカーとしての自信が揺らいでいるようでもあった。

 だが、U-21日本代表を率いる森保一監督は、岩崎の魅力を理解していた。

「自分の持ち味を自由に出してほしい」と岩崎に声をかけると、ウイングバックではなく、これまでどおりシャドーとして送り出したのだ。

 パキスタン戦の2ゴールは、その期待に最高の形で応えたものだった。

 なかでも、豪快なミドルシュートを突き刺した2点目は、自信になったという。

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