2018.08.19

森保ジャパンにもベテランを。
指揮官の懐刀、青山敏弘が必要だ

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

新生・森保ジャパンにオススメの選手(2)
MF青山敏弘サンフレッチェ広島

 森保一監督の代名詞ともいえる3-4-2-1の布陣で、カギを握るのはどのポジションになるだろうか――。3度のJ1優勝を成し遂げたサンフレッチェ広島時代の戦いを鑑(かんが)みれば、各ポジションで求められる役割が浮かび上がってくる。

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32歳でも高いレベルのパフォーマンスを維持している青山敏弘 後方からのつなぎを大事にした広島では、GKやセンターバックは守備力だけでなく、高い足もとの技術も不可欠だった。また、守備時にはサイドバック、攻撃時にはウイングと、ひとり二役を求められるウイングバックは何より走力が必要で、森保監督の戦術を体現するうえで重要な存在だった。

 2シャドーにはパサータイプとセカンドトップ型がバランスよく配置され、前線での起点になるとともに、一方がラストパスを供給し、もう一方がゴール前に侵入してフィニッシュワークを担う。また、守備時には両サイドに開いて、相手のサイド攻撃を封じる献身性も求められた。

 そして1トップは前線にとどまるよりも、何度も動き出しを繰り返し、自らが受け手になるだけでなく、味方のためにスペースを作り出す。森保監督は広島時代の晩年に収まるタイプの1トップを重用したが、より機能していたのは、動き出しに優れる佐藤寿人が務めていたときだった。

 基本布陣は3-4-2-1だが、攻撃時に4-1-5、守備時には5-4-1となる可変システムは、各々が状況に応じた判断と明確な役割を理解していなければ成り立たない。その構造は実に複雑ながら、それぞれがやるべきことをまっとうしていたからこそ、広島は高い組織力を築き、黄金期を生み出すことができたのだ。

 ただし、その組織性も彼らがいなければ成り立たなかっただろう。青山敏弘と森﨑和幸――。この2ボランチの阿吽(あうん)の関係性こそが、広島の複雑なスタイルを機能させていたのだ。

 攻撃時には森﨑が最終ラインに下がり、ビルドアップの役割を担う。青山は4-1-5の「1」の位置で、後ろと前方のつなぎ役をこなす。逆に守備時には青山が高い位置でプレスをかけ、カバーリングとインターセプト能力に優れた森﨑が最終ラインの手前でボールを刈っていく。攻守両面において、この2ボランチの役割は大きなウエイトを占めており、実際に広島の3度のJ1優勝は、このふたりがシーズンを通してフル稼働できた年に限られている。