脱ハリルの日本スタイル。過去に
W杯で見せたどの試合よりも痛快だった (4ページ目)
例えば、MF香川真司が「最後の局面での個の力をもっと上げないといけない」と語ったように、選手個々の能力不足を組織力だけでカバーすることには限界がある。また、長谷部が「カウンターについてはチームでかなり話していたのに、最後はカウンターでやられている。試合巧者ではなかった」と語ったように、せっかくの2点リードを守り切れなかった試合運びの拙(つたな)さにも課題は残る。
わずか1試合の結果だけで、世界の背中が見えたなどと言うつもりは毛頭ない。
それでも4年前の惨敗をきっかけに、選手やスタッフだけでなく、ファンやメディアも含め、自分たちが目指すスタイルに迷いが生じていた日本サッカーは、ベルギーを土俵際まで追い詰めた一戦で大きな自信を手にしたはずだ。
負けはした。だが、日本代表の試合を見ていて、こんなにも楽しかったのはいつ以来だろうか。少なくとも、過去に日本代表がワールドカップで見せたどの試合よりも痛快だった。
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