U-21代表も直面した「止める、蹴る」のレベルという永遠のテーマ (4ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

「結果だけは満足していますけど、課題しかないです」と横内監督代行が言うポルトガル戦は、勝ちこそしたものの日本の課題を炙(あぶ)り出された試合になった。この試合で最も大きな違いが見られたのは、「止める、蹴る」のレベルの違いだ。

 この大会に参加したチームの中で、技術的な水準で言えば、日本は決して低い部類に入るチームではない。むしろ、細かなボールさばきに関しては、非常に高いと感じられることが多かった。しかし、相手のプレッシャーを受けても落ちないポルトガルの「止める、蹴る」と、プレッシャーがかかると途端にミスが出てしまう日本の「止める、蹴る」には大きな違いがあった。

 ポルトガルの選手は味方選手にぶつけるような速いパスを、地を這うように出す。そんなパスをすぐさま次のプレーに移れる場所にトラップする。あるいは1タッチで正確に繋いでいく。日本選手のパスはポルトガル選手のそれに比べるとスピードがなく、トラップはすぐさま次のプレーに移れる場所には止まらず、ダイレクトプレーが入るとミスが出てしまう。これは単純に強度の異なるプレー環境から生まれる違いだろう。

 ポルトガルの選手とJリーグの選手の比較について尋ねられた三好の答えは、興味深いものだった。

「タイプとしてはJリーグにいるような選手もいましたが、あそこまで1人1人が打開してくるというのは、Jリーグにはないです。助っ人外国人のような選手が大勢いるという印象で、球際の部分だったり、ルーズボールに対する速さや強さだったりというのは、助っ人外国人にはありますけど、日本人選手にはなかなかないようなものだと思います」

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