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ハリルJの1トップ問題。
「最終決断」は大迫、杉本、それとも...? (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 本田の1トップ(0トップ)がオーストラリア戦限りで終わってしまったのに対し、大迫の1トップが今なお健在なのは、単純に大迫のほうがボールの収まりがいいからだ。本田の衰えを示す事例と言ってもいい。2011年のアジアカップでは、4、5人に囲まれてもボールを失わなかったほどだったが......。

 それはともかく、ハリルホジッチが布陣をその後、4-3-3メインに切り替えたことも、大迫のプレースタイルと、相性がいいことを実感したからに他ならない。ファーストチョイスは、よって大迫になる。

 しかし問題なのは、その得点力だ。今季、所属のケルンで挙げたゴールは、出場した1414分に対し、わずか2(3月11日現在)。この数字はいくら何でも少なすぎる。持ち味を発揮するならFWとしてではなく、4-2-3-1の1トップ下(「3」の真ん中)のほうが、いいのではないかという気にさえなる。

 得点力を考えると、昨季のJリーグで得点王争いを演じた国内組に目が移る。

 23ゴールを挙げて得点王に輝いた小林悠は、ウイング(サイドアタッカー)編でも触れたとおり、所属の川崎フロンターレでは今季、4-2-3-1の「3」の右でプレーする。1トップでも、ウイングでも、どちらも可能という点でポイントは高くなる。

昨季ブレイクしたセレッソ大阪の杉本健勇昨季ブレイクしたセレッソ大阪の杉本健勇 得点ランキング2位(22点)の杉本健勇(セレッソ大阪)は、他の選手にはない高さ(身長187cm)がある。存在がわかりやすいので、ターゲットになり得る。ポストプレーもまずまずだ。

 急にブレイクした選手は翌シーズン、落ち込むことがよくあるが、杉本は今季も高いレベルを維持している様子。ハリルホジッチが4-3-3を継続していくならば、大迫を脅かす一番手になりそうだ。

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