痛恨ミスの長身DF。屈辱をバネに、エスパルスでレギュラーをつかめ (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images


「GKとの距離も近かったので、返すにしてもとかいろいろ考えてしまって、ああなったんですけど、割り切ってしまえばよかったというのは終わったあとに話しました。DFとして、あの位置であのプレーはいらなかった」

 危険な自陣ゴール前で、なぜ、ショートパスをつなごうとしたのか――。

 その理由のひとつは、それがチームコンセプトだったからだろう。

 チームを率いる森保一監督は、GKから攻撃を組み立てることを奨励している。ショートパスという「餌」に相手が食いつけば、その後方にスペースが生じる。相手のプレスをかいくぐり、そこまでボールを運べれば、ビッグチャンスを作ることができる。

 しかし、いくらコンセプトとして掲げられているからといって、相手の罠にみすみす飛び込んでいく必要はない。古賀が振り返る。

「監督から、チャレンジしてほしい、と言われてはいたんですけど、失点したら元も子もない。その辺はピッチのなかで判断して、はっきりゴールキックを前に蹴ることも必要だったと思うので、判断力というか決断力が足りなかったと思います」

 また、立田自身も、足もとのプレーに自信を持っていた。

「長身ですけれど、自分の持ち味は足もと。縦パスやロングパスといったストロングの部分を出していきたい」

 タイとの第2戦を終えたあと、立田はこんなふうに語っていた。連続してスタメンに選ばれた1戦目、2戦目で自身のプレーに手応えを掴み、自信を膨らませつつあった。

 だが、膨らんだ自信は、ウズベキスタン戦で弾けて散ってしまった。

「アジアのなかには、上には上がいると感じましたし、今回(昨年5月のU-20ワールドカップでレギュラーだった)中山(雄太/柏レイソル)選手、冨安(健洋/シント=トロイデンVV)選手が選ばれていないなかで出させてもらったのに、こういう結果に終わって、アピールという部分で難しくなってしまったなと感じています」

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