「ボールをもらいたがらない」ハリルJ。自信も確信もない負けっぷり (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 オーストラリア相手なら、前からプレスをかけてよし、引いてブロックを作ってよし、だった守備組織も、ブラジル相手では面白いようにパスをつながれ、崩された。

 前半のスコアは0-3。一方的と言っていい点差だったが、試合内容はスコア以上に酷かった。

 日本の選手たちはブラジルのスピードにまったくついていけず、ボールを奪うことができない。どうにか奪うことができたとしても、攻撃に転じようにもパスをつないでリズムを作ることができず、なかば破れかぶれのパスを相手DFラインの背後に蹴るしかない。チャンスを作る以前に、まともにパスをつなげないのでは、勝負になるはずもなかった。

 特に気になったのは、ボールを奪ったあとの1本目のパスがつながらないということである。

 ハリルホジッチ監督は「1本目のパスにミスが多かった」と表現したが、特に前半に関して言えば、「ボールを奪っても、パスの出しどころがない」というケースが多かった。MF長谷部誠が「みんな、ボールをもらいたがらないようなところがあった」と語っていたとおりだ。

ボールを奪ったあと、出しどころがなく、効果的な攻撃ができなかった日本ボールを奪ったあと、出しどころがなく、効果的な攻撃ができなかった日本 守備から攻撃へ、より速く効果的に転換するためには、ボールを奪ったあとの1本目のパスでどれだけ有利な局面を作れるかが重要となる。ところが、この試合に限らず、現在の日本代表は1本目のパスをつなげずにボールを失うケースが非常に多いのだ。その結果、低い位置からロングボールを蹴るだけの強引なカウンター狙いばかりが多くなってしまうのだが、それではシュートチャンスまで持ち込むのは難しい。

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