水をかけられ、バッシングを浴びた城彰二を救った「カズの言葉」 (6ページ目)
それに"エース"という責任の重さ、カズさんのすごさを感じたね。あのとき、W杯でカズさんがいたら、どうなっていたかなって考えた。たぶん、もっと余裕を持ってプレーできていたと思う。自分にかかるプレッシャーがなければ、普段どおりにやれればいいやって思えたはず。カズさんのポジションに自分が立ったとき、(カズさんは)いつもこんなプレッシャーの中でプレーし、結果を出してきたんだってわかった。カズさんは、ほんとバケモノだって思ったね」
現役最後は尊敬する「キング」カズと同じチームでプレーした城彰二。photo by Takashi Watanabe/AFLO SPORT その後、城はカズとヴィッセル神戸、横浜FCで共にプレーした。横浜FCでは2006年、カズと2トップを組んでクラブ史上初のJ1昇格を決めた。城はそのシーズンで引退を決め、尊敬する"キング"のそばでユニフォームを脱いだ。
カズという存在の大きさを、身をもって経験した城にとって、13年間のプロサッカー人生を締めくくるにふさわしい"とき"だったのかもしれない。
(おわり)
城彰二(じょう・しょうじ)
1975年6月17日生まれ。北海道出身。鹿児島実高→ジェフユナイテッド市原→横浜マリノス→バリャドリード(スペイン)→横浜F・マリノス→ヴィッセル神戸→横浜FC。日本代表では日本初のW杯出場に貢献。1998年フランスW杯に「エース」として出場した。
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